BSアナログ放送の一部とすべてのBSデジタル放送が本日2010/8/24 14:21 ~ 14:34 頃までにかけて、13分間停波したそうです。放送事故ですね。びっくりした方も多いことでしょう。
天候などの理由ではなく、放送衛星「BSAT-3a」の一時的な姿勢変動が原因で、地上からアップリンクされた放送波を、静止軌道上に存在する衛星が正常に受信・送信(ダウンリンク)できなかったということだそうで。
○BS放送の停波について ・ 放送衛星システム
http://www.b-sat.co.jp/pdfFile/100824-181351.pdf
現在は緊急対応として予備衛星の「BSAT-2c・2a・1b」から放送を継続しているということで、これまでの「BSAT-3a」については事故原因を調査中とのこと。
ちなみに、9月中旬には新しい放送衛星を打ち上げるそうですね。ただ、今回事故を起こした衛星の引き継ぎ衛星ではなく、予備衛星として現在運用中の2系放送衛星の引き継ぎ衛星なんですよね。
○放送衛星BSAT-3b の打ち上げについて ・ 放送衛星システム
http://www.b-sat.co.jp/pdfFile/100809-164250.pdf
姿勢変動とのことですが、何かスペースデプリかなにかがあたったりしたんでしょうかね。
○衛星デジタル放送の停波について ・ NHK広報局
http://www.nhk.or.jp/pr/keiei/otherpress/100824.html
放送事故が起きた時間帯に放送されていたNHKの一部の番組は再放送することを検討しているそうです。
さて、現在の状況ですが、天候の理由もあるかもしれませんが、今の受信レベルが通常より若干低い気も・・・。
予備衛星の出力がどれだけかわかりませんが、どうなんでしょうね。
ちなみに、CSは放送波を送信している通信衛星は別なので今回の事故による影響はありませんでした。
衛星放送は、強い雨や厚い雲などによるダウンリンクの受信障害と、地上から衛星に向けて放送波を送信するアップリンクの受信障害があり、たいていは前者ですが、かなり天気が悪いとアップリンクすらまともにできないことになる場合もあります。
地上波でもありえることですが、雲による影響はないでしょうし、BSやCSの衛星放送波と比べると、地上放送波は波長も長いので雨などによる影響も少ないはずです。
放送設備が壊れる可能性ならBSも地上波も問いませんから、この点を考えると、やはりBSは不利ですかね。
アップリンクに関しては各放送事業者が衛星に向けてアップリンクしているのではなく、放送事業者からのTS(トランスポートストリーム)を(株)放送衛星システム(B-SAT)が一括して行っています。
アップリンクを行うアップリンクセンターは、渋谷の主局と、そこから50kmはなれた埼玉県菖蒲町(副局)の2つが存在し、主局のアップリンクが困難な場合には瞬時に副局に切り替えることができるそうで、相当なことがない限りは、天候によるアップリンク障害からは回避できそうです。24時間365日、絶え間なく放送波をアップリンクしなければならないので、大変な仕事ですね。
○アップリンクセンター|事業案内|B-SAT - 放送衛星システム
http://www.b-sat.co.jp/jigyouannai/uplinkcenter.html
衛星の紹介などもあるので、これを機に放送衛星システムのウェブサイトを読んでみるのもおもしろいかもしれません。
そして、早急に原因を究明し、通常の放送衛星での運用に戻ることを祈ります。