画像処理によく利用され、最近だとAIを用いた画像処理まで取り扱うようになっている、オープンソースでフリーなライブラリ「OpenCV」。
7月19日に、新しいバージョン「4.5.3」がリリースされました。
※3.x系では、3.4.15がリリースされました。ただし、今後OpenCV5.0への移行とともに、3.x系のサポートも徐々に終了していきます。
だいたい4半期に1回、新作アニメの放送が始まりだす月に次のバージョンがリリースされています。
これと並行して、今後、5.0に向けて作業が進んでいる段階でもあります。
更新履歴は以下に掲載されています。
日本語の記事はこちら。
ハイライトとしては、
- highgui: UIバックエンドを追加
- videoio: UMat/OpenCLについて、FFmpegバックエンド越しにハードウェアアクセラレーション(GPU)が有効なビデオデコード/エンコードをサポート
- video: DaSiamRPNトラッカー(ビデオトラッキング用のが、OpenCVアルゴリズムとして実装された
DaSiamRPNトラッカーは、画像中のオブジェクト追跡を行うための機械学習モデルです。国際学会で発表された手法で、最近では新しいオブジェクト追跡手法を既存手法と比較する際に、比較対象としてこのトラッカーが用いられることが多いようです。
DaSiamRPNトラッカー自体は、Pythonで記述されたコードがGitHub上で公開されており、デモ動画も同ページにて掲載されています。
今回のOpenCVアップデートで、このトラッカーがOpenCVで利用可能なトラッカーとして導入された形です。
たぶん(´・ω・`)
- DNNモジュールまわりでは、CUDAバックエンドでMatMul(行列積の計算)がサポートされたほか、いくつかの不具合修正が適用された
- Intel Inference Engine バックエンド(OpenVINO)まわりでは、OpenVINO 2021.4 LTSリリースがサポートされたほか、IE clDNN プラグインで OpenCLカーネルキャッシュが有効化された
- G-APIモジュールまわりでは、新しいPythonオペレーションAPIや、Pythonバインディングがサポートされた、など。
Contribの方では、1次元バーコードがサポートされるなどしています。
今まで使ってきたOpenCVライブラリのバージョンをアップデートするほどではないかもしれませんが、気になる方は、試してみてはどうでしょうか?